Messageメッセージ

人が人を支える。
こんなに楽しい仕事はないと思います。

特定非営利活動法人 豊心会

副理事長/総括本部長
橋本 好博Hashimoto Yoshihiro

原点は「普通の生活」の支援。型にはめずに、もっと自由に。

私たちは、介護の原点は、利用者さんと私たちとの「人づきあい」をベースにした生活の支援だと思っています。介護者がコントロールしようと思うと、こうあるべきという価値観で動きがちです。コミュニケーションが仕事になってしまったら、例えば調理の場面を考えると、調理と話す時間を両立するのが難しいという発想になります。けれど、普通の暮らしでは、一緒に台所に立って隣で話すのが楽しいはず。何か楽しんでいる日は食事がズレたっていいじゃないですか。介護は本来、利用者さんが「自分の時間」をどう使うかが本筋ですから、型にはめずに、もっと自由でいいんだと思います。介護サービスというとどうしても技術が先行しがちですが、手を貸してあげて時間通りに1日を進めるのが介護の仕事というのは、ちょっと寂しいなと思います。
ただし、利用者さんが過ごす時間は、パートナーである介護者によって変わります。だからこそ私たちは利用者さんと同じ方向を見て、どう時間を過ごすかを考えていきたいと思っています。

人と、人としてつきあう仕事。
色んな関係があっていいんです。

私たちの仕事は聴くことが基本です。言葉だけじゃなく、動作や生活のクセなど色んな形で表してくる自然な声、心を許しているから出してくれる訴えを聴きたいと思っています。実は豊心会には制服がありません。介護者と利用者という立場が目に見えることは止めました。人と人としてつきあって、自然に「私が来たから大丈夫だよ」って言える関係性ができたら、介護って未来が明るいんです。そう言うとコミュニケーションスキルという話になりそうですが、すぐ仲良くなる人もいれば、時間をかけて解かり合う人がいてもいいと思います。普通の暮らしにも色んな関係があり、解かり合うまでの過程も様々。利用者さんと介護者は1対1の関係ですが、仲間もいるので全員と完璧な関係である必要はないと考えます。

学ぶことの多い職場です。まずは、自分を知ることから始めましょう。

豊心会では、新入社員には「介護倫理」と「自己覚知」の研修を受けてもらいます。自己覚知とは客観的に自分を振り返る研修です。利用者さんを受け容れるために、自分がどんな器を持っているか知ることからスタートします。その後も、経験年数などに合わせた勉強会などを行い、他にはない色んな経験が出来る環境です。経験年数は問いません。人生の先輩である利用者さん達は逞しくて、「こう生き方もあるんだ」と感心するようなことも沢山あります。
私たちの仕事は、人として人にかかわり、支えることです。大変だけれど、これほど楽しい仕事はないと私は思います。利用者さんが心を開き、「この人がいるから安心」と思えるような介護者が増えることを願っています。

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